Vol.6 孫悟空を探しに


ダナンからホイアンへ戻る道すがら、ベトナムきってのパワースポットと評判の高い五行山(英語ではThe Marble Mountains)という山に立ち寄る。

かの孫悟空が、身の程をわきまえさせるために釈迦が持ちかけた賭けに負け、500年間、幽閉されていた山だそうだ。その賭けとはあれだ、あちこち飛び回る孫悟空も、結局は釈迦のてのひらから抜け出せなかったという例のやつ。

結論からいうと、石窟、洞窟、レリーフ、仏像、高いところ好きにはたまらない場所だった。最高。

リンウン寺

入山まもなくしてまみえる五重の塔
熱帯の緑に鎮座する大仏を拝む
鮮やかな後光が眩しい
チャイナな要素があちこちに
白く美しい観音様も、この日差しはちょっと暑そう
吠える龍に萌える昨今
こういうの庭にほしい……
ちょっと漫画的にも見える龍たち。こういうの庭に…以下同文

ホア・ギエム洞窟

なにかただならぬ気が漂う門です
洞窟を祠として使うという発想は世界のあちこちにある
ただただ美しい……。穏やかかつ知見を感じさせて、いい顔だな……

フィエン・コン洞窟

両側に控えるこの方々は番人なのかな?
わーすごいところに彫ったなーという場所に大仏様。上から差し込む光がいい具合だけど、アメリカの空爆によって開いた穴だそう
チャイナ色MAXな感じですね
静かにわれわれを見下ろす大仏様
洞窟の入口を振り返るとこんな感じ。内部にこんな空間が広がっているとは外からはわからないのが洞窟にロマンがあるところ
祀られているのがなにかがわからないのがちょっと残念
こちらも、なにを祀ってるのか知りたいところ
お花や線香がまだ新しくて、ここが現役の信仰の場でもあることがうかがえる

リン・ニャム洞窟

岩や草花の隙間をぬって差し込む光と、小さな入口。洞窟、たまりまへんなあ
レリーフ好きにはたまりまへん。暴れ龍(?)。レリーフって二次元と三次元の中間で、なぜだかワクワクする
ひと気のない小さな祠。夜はちょっと怖いかな
五行山自体は観光客で溢れているけど、ここまではあまり入ってこない感じ。静かです
もうすこし気温が低ければこういうところでのんびりしたいところ
ブッダガヤで悟りを開いた釈迦がサールナート(鹿野苑)で5人の行者と鹿を相手に最初に説法したときの光景を再現。背後には本物の菩提樹。ウッと胸に迫るものがある場所だった

展望台(手ぬるいほう)

ここはそれほど大変な階段ではないので、みんな登ってきゃーきゃーいいながら記念撮影している。

真打はこのあと登場するほう。

五行山のうちわれわれが入山しているのがトゥイーソンで、ほかの四山をここから眺めることができる

タム・タイ寺院

威風堂々。壁や柱のレリーフや彫刻も見応えがあるけど、いかんせん、暑い……
正面を守るのは大黒様。いつ見ても福々しいですね〜
こういう門のちょっとした装飾にも心惹かれる
沖縄のシーサーのような獅子が屋根の上に
七色の後光がちょっとサイケデリック

タム・トン寺院

なんちゅう美しい千手観音様や……
こちらもいい御顔をした大仏様。後光がダーツの的に見えてしまったのは内緒
入口を守る獅子。大変立派!

僧侶の集会所

お寺の脇にあった集会所もなんだかすてきな雰囲気だった
ここにこうやってボンッと置く美意識よ。美しい空間

The Highest Peak(本気の展望台)

なぜか日本のガイドブックには出ていなかったが、看板の地図に出ていたThe Highest Peak。休憩所の右手に上に上がる階段があるものの、順路を示す看板もなにも出ていないのでわかりづらい。

けっこうな急傾斜の階段を登っていくと、素晴らしい見晴らしの展望台へ。

ひと気もなくて最高に気持ちがいい。貸切の高いところ大好きだ。

寛いでいたらゼエハアいいながら東欧系の若者が上がってきて、お互い汗が目に入ってしみるのを笑いながら、写真を撮り合った。

下の展望台からも見えた五行山のほかの山。もっと高くに来ちゃった!
ホイアン方面。ずっとビーチが続く
ダナン方面。開発中なのがよくわかる
空と海を抱いて余は満足じゃ
前日にサンダルが大破したため、急きょ調達したぺらぺらのビーサンで登ったけど、ちゃんとしたスニーカー推奨

あまりの暑さに、汗腺という汗腺から汗がふき出してくる。化粧はすべて流れ落ちました。

訳あってこの日の足元はビーサン。高度4,000メートル越えの地点で裸足にビーサンで数十キロの物資を運んでいたネパールのシェルパをちょっと思い出した。ここは高度はないけど岩山なので滑ります……。

孫悟空は見つけられなかった。私が探している孫悟空は、深呼吸している間にどっか飛んでいっちゃうんだ。