Vol.3 ランタン通りの夜と朝


闇に浮かぶ色とりどりの灯り。

川沿いの道の一本奥、ふらふらと歩いていけば、そこはランタン通り。

みな幸せそうに笑っている。

夜のランタン通りへ

異界にきた。そんな感じのランタン通り。

恨みつらみも、後悔も切なさも。

全部この灯りに吸い込まれていけばいい。

この街に恋をした。

微熱にうなされながら、いき交う人波を眺める。

ひとつひとつの顔。どこからどうやって来たのか知らない。

ここを通ったまだ見ぬ誰かの残像を探す。

化粧を落とした朝の顔

朝の光が好きだ。

化粧を落とした顔のしみもしわもつまびらかにする。

夜の続きが覚めるとき。

ランタン通りの朝は、つわものどもの夢のあと。

昨夜、妖しく光っていたランタンにほころびを見つけて、すっぴんを見られたときの気恥ずかしさを思う。

残酷で、でもきっと新しいはじまりで。

旧市街はウェディングの撮影スポットらしく、早朝からあちこちで撮影が

ランタン通りにある、お料理がおいしいと評判のレストラン。